屋久島(やくしま)は、鹿児島県の大隅半島佐多岬南南西約60kmの海上に位置する島で、近隣の種子島や口永良部島などと共に大隅諸島を形成しています。
最近では、屋久島の西方約12kmに位置する口永良部島の新岳(しんだけ)の爆発的噴火にともない、避難場所にもなっているので、度々テレビで「屋久島」を耳にしますよね。
受け入れ態勢万全の屋久島でご紹介したいのは、「志戸子(しとこ)ガジュマル園」。
志戸子にある、ガジュマルやアコウの大木などが繁ったジャングルです。
ガジュマルは亜熱帯から熱帯に自生する常緑高木で、屋久島はガジュマルが自生する国内最北端の場所です。
元々集落の防風林として守られてきたカジュマルは、イチジクの仲間で、他の木の高所などに着生します。
「絞め殺し植物」と呼ばれているだけあって、幹から垂れ下がる「気根」で他の植物を覆い尽くし、やがては枯らしてしまいます。
ガジュマルに締め付けられたら最後、光を遮られ、光合成が出来なくなってしまうのです。
ガジュマルは多雨の土地に生えているため、地中ではなく空気呼吸をします。
気根が成長すると地面まで垂れ下がり、自分自身を支えます。そして更に、枝の至る所から気根を出し四方八方に広がっていきます。
そしてまた他の植物を覆い尽くし・・・その繰り返しの中で、生きていくのです。
自然の成り行き・・・生命の持続と言えば当然のことですが、カジュマルを実際に見ていただければその脅威に圧倒されると思います。
cocco の歌に
♪誰か私をとめてよ 押さえつけてあの樹に縛るの
誰かお願いとめてよ きつくきつくあの樹に縛るの
朝が来たとき 私は生きているのかしら ♪
というカジュマルをたとえたフレーズがあります。まるで心の叫びのような言葉に、ジワジワと鳥肌がたってしまうのは私だけでしょうか。
もともと観葉植物が好きな私。その日は、店内に並べられたカジュマルに、何となく目がいってしまいました。
他の植物をあれこれ見て回ったけど、結局戻って来たのがカジュマルの前。
「大木になりますよ」という、店員さんの言葉に取りつかれたかのように購入したのです。
しばらくは、小さい鉢植えを楽しんだのですが、植え替える度に成長していきます。
とりあえず今は自力で成長している我が家のカジュマルは、屋久島のカジュマルとは別物?
いつ路地におろしてやろうかと思案してるとこですが、とんでもないことになりそうですよね。
我が家はこのまま植木鉢で、生きてもらうことにします。締め付けられてしまわぬように・・・